STRATEGY & ANALYSIS

「間接競合」の論理と視点のずらし!「写真で一言」はビジネス戦略!?

間接競合と写真で一言の戦略的共通点
バラエティ番組などで人気を博すお笑い企画「写真で一言」。
一枚の静止画に対し、誰も予想しなかった角度から言葉を添えて爆笑を生み出すこの大喜利の技術は、一部の天才が持つ「センス」や「ひらめき」だけで成り立っているわけではありません。

起業24年目のコンサルタントの視点で分析すると、「写真で一言」で笑いを取るための論理構造は、ビジネスにおいて新たな市場を開拓する『間接競合の発見』と全く同じアルゴリズムを持っています。

本記事では、M-1グランプリという大舞台に知性とロジックで挑むコンサルタントが、「視点をずらす(ボケる)」という行為がいかに高度で合理的なマーケティング戦略であるかを論理的に解剖します。激しい競争市場から抜け出したいビジネスパーソン必見の、思考の最適化トレーニングです。

この記事の4つのポイント

目次

1. そもそも「間接競合」とは何か?見えないライバルを定義する

直接競合との戦いが引き起こす「価格競争」の罠

ビジネスの世界において、競合他社の動向を分析する作業は戦略構築の基本です。しかし、多くの企業や事業者が「直接競合(同業他社)」の機能や価格ばかりに目を奪われ、市場の本質を見失うというシステムエラーを起こしています。

「他社が10%値下げしたから、うちは15%値下げしよう」「他社が新しい機能を追加したから、うちも似た機能を急いで実装しよう」。このような直接競合との殴り合いは、短期的には売上に繋がるかもしれませんが、長期的には利益率の低下とリソースの枯渇を招く消耗戦に他なりません。機能や価格だけで差別化することが極めて困難な現代において、直接競合だけを見据えた戦略は、ビジネスの寿命を縮めるリスクを孕んでいます。

映画館の本当のライバルは、他の映画館ではない

ここで、コンサルタントの視点で「間接競合(見えないライバル)」という概念を導入してみましょう。間接競合とは、「提供している商品やサービス自体は異なるが、顧客の目的やニーズを満たす上で競合となる存在」を指します。

例えば、「映画館」を運営していると仮定します。ライバルを「近隣にある別の映画館(シネコン)」や「Netflixなどの動画配信サービス」と定義するのは、直接競合の視点です。
しかし、映画館を訪れる顧客の真の目的が「休日に恋人と非日常の楽しい時間を過ごすこと」であった場合、真のライバルは「テーマパーク」や「おしゃれなカフェでのディナー」、あるいは「絶景のドライブスポット」といった全く別ジャンルの体験へと変化します。彼らは「映画」という商品を売っているのではなく、「特別な休日の数時間」という体験価値を奪い合っている間接競合なのです。

顧客が求めている「本質的な価値(インサイト)」を言語化する

有名なマーケティングの格言に「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく、壁に開く穴である」という言葉があります。
商品そのものの物理的な機能(直接的な価値)ではなく、顧客がその先で得たい深層心理(インサイト)を見極めること。自社の商品が「顧客のどんな時間を、どんな感情を満たしているのか」を再定義し、同業他社とは全く違う土俵を見つけ出すことこそが、間接競合を意識した戦略の醍醐味です。

2. 「写真で一言」が鍛える高度なマーケティング脳

見たままの事実を述べるのは、直接競合だけを見ている状態

では、この「間接競合を見つける力」と、大喜利の「写真で一言」にどのような論理的な繋がりがあるのでしょうか。

「写真で一言」のお題として、例えば『深刻な顔をして電話をしているスーツ姿の男性』の写真が出されたとします。
ここで、「取引先に謝罪している」「深刻なトラブルが起きた」といった、写真から読み取れる事実をそのまま描写するのは、ビジネスで言えば「直接競合だけを見ている状態」に等しいと言えます。誰もが思いつく発想であり、既視感のある答えに新たな価値(笑い)は生まれません。

ボケるとは「文脈(コンテキスト)の再定義」である

プロの芸人や、センスのある回答者はどうするか。彼らは写真の事実を一度受け入れた上で、全く違う「文脈(コンテキスト)」へと視点をずらします。

先ほどの深刻な顔の男性の写真に対し、
「え? カブトムシのゼリー、俺が食っちゃダメだったの?」
と一言添えたらどうでしょう。

ビジネスの深刻なトラブルに見えていた写真が、一瞬にして「家庭内のしょうもないルール違反で妻に詰められている夫」という全く新しい文脈に書き換えられます。これが爆笑を生むメカニズムです。
「ある事象に対して、固定概念を捨て、誰も気づいていなかった別の角度(インサイト)から光を当てる」。
この脳の使い方は、まさに「ドリル」を売るのではなく「穴」を売る間接競合のマーケティング戦略そのものなのです。

💡 関連分析:「写真で一言」で爆笑を生む技術を体系化

大喜利において、どのように視点をずらせば「面白い回答」が生まれるのか。天性のセンスではなく、論理的なアプローチで笑いを生み出すための具体的なコツと名作回答例を別記事で徹底解剖しています。

「写真で一言」の面白い回答例とコツ!爆笑を生む大喜利のセンスを徹底解説 →

大喜利の思考プロセスをビジネスの課題解決に当てはめる

「写真で一言」の思考プロセスは、「現状分析」→「固定概念の抽出」→「ギャップの創造」という3つのステップで構成されています。これをビジネスの課題解決に当てはめると、非常に強力なフレームワークになります。

自社の商品やサービスを「一枚の写真」に見立ててみてください。業界の常識やこれまでの販売手法が「誰もが思いつく普通の回答」です。そこから、顧客の隠れた悩みや別の利用シーンを想像し、「全く違う切り口(ボケ)」を提案する。この大喜利的な思考のジャンプこそが、同業他社との競争から抜け出し、間接競合に打ち勝つための強力な推進力となるのです。

3. 間接競合を見つけ出す「視点のずらし」実践フレームワーク

業界の「当たり前」を疑うことから始める

間接競合を見つけるための第一歩は、自分が属している業界の「当たり前」という強固なシステムエラーを疑うことです。

「この商品はこういう風に使うものだ」「ターゲットはこの年代層だ」という固定概念は、視野を著しく狭めます。コンサルタントとしての経験上、ブレイクスルーは常に「業界の常識の逆」に潜んでいます。
例えば、フィットネスジムは長らく「運動して汗を流す場所」でした。しかし、「運動にハードルを感じているが、健康にはなりたい層」をターゲットに、「着替え不要で数分だけ体を動かせる場所(コンビニジム)」という新たな文脈を定義したことで、従来のフィットネス層とは全く異なる市場を開拓しました。これは、「運動する」という事実から視点をずらした見事な戦略です。

顧客の「利用シーン」から逆算する水平思考(ラテラルシンキング)

視点をずらすための有効な手法として「ラテラルシンキング(水平思考)」があります。ロジカルシンキングが物事を深く掘り下げていく(垂直)のに対し、ラテラルシンキングは前提を疑い、横方向に発想を広げていく思考法です。

自社の商品が使われる「前後のシーン」や「付随する感情」を想像してみてください。「コーヒーを飲む」という行為の前後には、「仕事の集中力を高めたい」「同僚との雑談のきっかけにしたい」「一人でほっと一息つきたい」といった様々な感情が動いています。それぞれの感情にフォーカスすることで、「エナジードリンク」や「コミュニケーションツール」、あるいは「リラクゼーション施設」といった間接競合の姿が浮かび上がってきます。

お笑いの構造を用いたアイディエーションの極意

ビジネスにおけるアイディア出し(アイディエーション)に行き詰まった時は、ぜひ「写真で一言」の思考プロセスを取り入れてみてください。

会議室のホワイトボードに自社商品の名前を書き、「もし、この商品が全く別の用途で使われるとしたら?」「もし、全く想定していない人がこの商品に感動したとしたら、それはどんな理由か?」と、あえて「ボケる」つもりでアイディアを出してみるのです。
最初は突飛で笑えるような意見の中に、実は競合他社が誰も気づいていない本質的な顧客のインサイトが隠されていることが往々にしてあります。笑いを交えた自由な発想は、硬直したビジネス脳をほぐし、イノベーションの種を生み出す最適な環境を作り出します。

4. 論理と笑いの融合:ラティオルマが目指す最適化

固定概念というシステムエラーを破壊する

現代のビジネス環境は変化が激しく、機能的価値だけを追求する戦略はすぐに限界を迎えます。「より安く、より便利に」という直接競合との戦いから一歩抜け出すためには、日頃から「これは本当にこういう意味しかないのか?」「別の角度から見たら、全く違う価値を提供できるのではないか?」と、意図的に視点をずらすトレーニングが必要不可欠です。

大喜利の思考法は、ビジネスパーソンが陥りがちな「真面目すぎる固定概念」というシステムエラーを破壊し、柔軟な発想力を養うための非常に合理的な脳のストレッチなのです。

ラティオルマが「お笑いツール」を公開している真の意図

私たち「ラティオルマ」は、起業24年目のマーケティングコンサルタントとパーソナルスタイリストという異業種の47歳同級生コンビです。漫才未経験でありながらM-1グランプリという巨大な市場に挑む私たちの公式サイトには、一般的な芸人のサイトにはない「写真で一言」や「大喜利」などの無料AI診断ツールが多数設置されています。

それは決して単なる余興や遊びではありません。
「お笑いの構造(ロジック)を理解し、視点をずらすトレーニングを積むことは、ビジネスにおけるマーケティング脳を鍛える最強のソリューションである」という私たちの確固たる信念であり、論理とユーモアを融合させた実証実験でもあるのです。

【まとめ】「視点のずらし」が市場を切り拓く

早速あなたの「視点をずらす力(ビジネス大喜利力)」を測定してみてください。

AIコンサルタント倉田のKPI「写真で一言」に挑戦する
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